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お尻の筋肉を鍛えるトレーニング方法5選!メリットやコツもご紹介

2023年11月17日

昨今トレンドにもなっている「美尻」「尻トレ」などのキーワード。耳にしたこともあるのではないでしょうか?お尻のトレーニングは綺麗な姿勢を作ったり、脚を長く見せるプロポーション効果、そして腰痛の予防や改善にも効果があります。

●お尻の筋肉の名前と役割

「殿筋群」と言われるお尻まわりの筋肉は複数の筋肉で構成されています。
一番大きな筋肉が「大殿筋(だいでんきん)」、その深部にある筋肉が「中殿筋(ちゅうでんきん)」、さらに深部には「小殿筋(しょうでんきん)」という筋肉があります。
また、股関節を外旋(外側に脚を回す・向ける動き)させるための「外旋六筋(がいせんろっきん)」と呼ばれる小さな筋肉等があります。

大殿筋

殿筋群の中で最も大きな筋肉です。また一番強い力を発揮します。
脚の付け根の外側あたりから腰に近い部分まで付き、脚を後ろに上げるような動きで力を発揮します。お尻の下部から上部にかけて重力に逆らうようにお尻の筋肉を上に引っ張り、「ヒップアップ」の効果を発揮します。大殿筋が弱まるとお尻の筋肉が垂れ、腿裏の筋肉であるハムストリングスとの分かれ目が分かりにくくなってしまい、脚が短く見えてしまいます。お尻がキュッと上がっている人は脚も長く見えるのです。

中殿筋と小殿筋

大殿筋の深部にある中殿筋と小殿筋はどちらも脚を外側に広げる・持ち上げる動作で力を発揮します。歩行の際に骨盤を安定させる役割を持ち、片足で立つ・支える際に重要な役割を果たすので、特にスポーツの場面では重要視されることが多いです。また、後ろから見た際にお尻の「えくぼ」を作る筋肉であり、バックショットのプロポーションを作るのに重要です。

外旋六筋(梨状筋)

股関節を外旋(外側に脚を回す・向ける動き)させるための「外旋六筋(がいせんろっきん)」の中に梨状筋(りじょうきん)という筋肉があります。
こちらは仙骨という骨盤の中心にある筋肉と、太ももの骨を繋ぐように付いています。
こちらはどちらかというと「鍛える」よりも「柔軟性」が重要です。梨状筋が固くなると、その下を通っている座骨(ざこつ)神経を圧迫し、座骨神経痛を誘発します。お尻・太もも・ふくらはぎや脚全体に、痺れや痛みといったような症状が出る原因の一つはこの梨状筋の柔軟性低下によるものです。

●お尻の筋肉を鍛えるメリット

お尻の筋肉を鍛えるメリット①:姿勢の改善

様々なメリットが考えられますが、まずは「姿勢を良くする」こと。お尻の筋肉が弱まると、腹筋も弱まりやすくなり、反り腰になりやすくなります。また、筋肉があっても固すぎると今度は猫背を誘発させてしまい、こちらも姿勢が悪くなります。鍛えることと、柔軟性を保持すること、どちらも重要です。特に中殿筋や小殿筋、外旋六筋を良く使うような動きのあとはしっかりストレッチを行うことで脚を真っすぐにする効果も生まれます。

お尻の筋肉を鍛えるメリット②:ダイエット効果

なんといってもダイエットです。前述の通り大殿筋は大きな筋肉で、基礎代謝も高いです。また、大殿筋と一緒に働きやすい筋肉の一つに大腿四頭筋(だいたいしとうきん)がありますが、こちらも太ももの表側にある、非常に大きい筋肉です。大きな筋肉ほど基礎代謝が高く、ダイエット効果があると言えます。単純に体重を落とすというメリットに加えて下半身のボディラインを整えるというメリットも大きいです。

お尻の筋肉を鍛えるメリット③:下半身の強化

ちょっと地味かと思われるかもしれませんが、俗に言う「下半身の強化」です。前述の通り、大殿筋と一緒に働きやすい筋肉で大腿四頭筋がありますが、どちらも「抗重力筋」と呼ばれます。重力に抗う筋肉という意味ですが、この筋肉が弱まると「歩く」「立つ」ということが出来なくなります。いつまでも健康な生活を送るのに不可欠な筋力であり、低体力の方や高齢者の方にとっては尚更大事な部位と言えます。

お尻の筋肉を鍛えるメリット④:基礎代謝の向上

基礎代謝というのは、身体の筋肉量に比例しているといわれています。
即ち、筋肉量が増えると基礎代謝も増えるということになり、太りにくく、痩せやすい身体へとなります。この事から、筋力トレーニング初期は大きい筋肉をトレーニングすることを推奨している理由になります。お尻回りの筋肉は非常に大きい筋肉ですので、お尻を鍛える事が基礎代謝向上に繫がります。特に「大殿筋」はその名の通りお尻周りの筋肉でも大きい部類ですのでしっかりとトレーニングしていきましょう。

お尻の筋肉を鍛えるメリット⑤:骨盤後傾の改善

猫背の方に多く見受けられる原因の1つとして、骨盤が後傾している状態があります。
大殿筋と中殿筋は骨盤部分から、もも裏~脚の側面にかけて付着しているため、これらの筋肉が硬くなり過ぎると骨盤も後ろに引っ張られ後傾状態になっていきます。
後傾が気になる方はお尻周りの柔軟性を高めるために、ストレッチを念入りに行うと良いとされています。

●お尻を鍛えるトレーニング

お尻を鍛えるトレーニング①:スクワット

王道の下半身トレーニングです。

立った状態から、膝・股関節を曲げてしゃがみます。手を前に伸ばすとバランスが取りやすいです。

ポイントは椅子に腰掛けるようなイメージでお尻を後ろに突き出すようにしてしゃがみます。膝がつま先を超えないように注意をして、踵に重心をかけましょう。
背中は真っすぐにします。丸まりも反りもしないように注意しましょう、目線が下がると背中が丸まりやすくなりますので、少し遠くの床を見るようにします。

お尻を鍛えるトレーニング②:ヒップリフト

お尻~もも裏のトレーニングに最適です。

仰向けに寝て、膝を曲げます。
このときの膝の角度が鋭角だと腰~お尻に効きます。90°ぐらいだとお尻~もも裏、また90°より鈍角だともも裏に効きます。

ここからお尻とお腹に力を入れて、お尻を床から持ち上げます。

持ち上げる意識だけだと腰が反ってしまいがちなので、お尻とお腹に力を入れる意識を高めましょう。
膝から肩甲骨あたりが一直線になるぐらいまで持ち上げます。手や足で床を押す意識は極力少なくして、身体の中心部から引き上げる意識を持つと効果が高くなります。
また、下ろすときにはお尻から下ろすのではなく、背中の上の方から順番に、背中→腰→最後にお尻という順番で下ろしましょう。

お尻を鍛えるトレーニング③:ダイアゴナルバック

お尻だけでなく、腰や背中、またお腹の引き締めにも効果的です。

四つ足になります。肩の真下に手首、脚の付け根の下に膝がくるようにセットしましょう。

ここからまずは足だけを後ろに伸ばします。「持ち上げる」という意識よりも「後ろに蹴り出す」ような意識を持ちましょう。

ここまでを繰り返すのもOKですし、ここから更に腕を前に伸ばすと強度や使う筋群が増えます。

腕は肩の高さ、足はお尻の高さを目安に持ち上げます。(伸ばします)
このとき、お腹の力が抜けてしまうと身体が左右にブレてしまいますので、前から見た際にブレないように意識をしましょう。

お尻を鍛えるトレーニング④:ヒップアブダクション

中殿筋をメインに鍛えます。お尻の横側を意識しましょう。

まずは横向きに寝ます。上の手は床を押さえて身体が安定するようにしましょう。

ここから上の脚を持ち上げます。膝は伸ばしたまま、天井方向に脚の付け根から動かすイメージです。

つま先の向きは正面に向いたままにしておきましょう。足が前や後ろにいかないように、真上に上げるようにしましょう。

お尻を鍛えるトレーニング⑤:ワイドスクワット

スクワットのバリエーションです。大殿筋、中殿筋だけでなく、内ももの筋肉も鍛えることが出来ます。

肩幅の2倍ぐらいに足を広げて立ちます。つま先の向きは45°ぐらい外側に向けましょう。バランスが取りやすいように手を前にしておくと良いです。

通常のスクワットと同じようにしゃがみます。膝とつま先は同じ向きになるようなイメージで、内側に入りすぎないようにしましょう。

横から見た際に、通常のスクワットと同じように背中を真っすぐにして、お尻を後ろに引くように下ろすのがポイントです。
小指側に重心が偏りすぎないように、足裏全体で床を押しましょう。

お尻を鍛えるトレーニング⑥:ランジ

下半身のトレーニングで、スクワットに続くメジャーなエクササイズです。お尻やももの前側、もも裏も鍛えられます。

脚を前後に開き、後ろ膝を床に近づけた際に両膝が90度程度になるように前後の幅を調整します。

背筋を伸ばしたまま、後ろ脚を床に近づけ前脚を意識しながら床を押し元の位置に戻ります。

お尻を鍛えるトレーニング⑦:バックエクステンション

器具を使用したトレーニングとしてバックエクステンションも有効的です。
バックエクステンションは腰周りを中心に鍛えられるエクササイズですが、上体を起こす際の意識を変えることによってお尻にもアプローチをかけられます。

下を向くようにスタンバイします。お尻を締めて上体を起こすことによってお尻のエクササイズにもなります。
注意点としては、腰が反るまでは上げずに、踵から頭までが一直線になるところまでにします。上体を反らせてしまうと腰痛の原因にもなり、お尻への負荷が抜けてしまいます。

お尻を鍛えるトレーニング⑧:デッドリフト

デッドリフトというエクササイズもお尻を鍛えられるトレーニングの1つです。
腰周り、もも裏、お尻を鍛えられますが、このトレーニングはフォームの習得や効かせられる感覚を得るのに今までご紹介したトレーニングの中で一番難しいものになります。
運動に慣れてきたら、次のステップとしてチャレンジしてみましょう。

注意点としては、腰が丸まらない事。そして、負荷が軽いと効いてる感覚が薄いので負荷を加えられる上体で行います。

●お尻の筋肉を効率よく鍛えるコツ

お尻の筋肉を効率よく鍛えるコツ①:脚の動かす方向

お尻周りを鍛えるにあたって様々な運動をご紹介してきました。
ここでは、そのエクササイズ時に脚をどの方向に動かして、”どこ”に効いているかをイメージ出来るようにしましょう。そうする事によってトレーニング中の意識が変わり更に高い効果が期待できます。
先ず、脚を前後に動かす運動では主に大殿筋に働きがかかります。特にランジはイメージしやすいと思います。そして、脚を横に広げる動きではお尻の外側に働きがかかります。特にヒップアブダクションがそれに該当します。

お尻の筋肉を効率よく鍛えるコツ②:お尻の形を自分でコントロールして鍛える

先述しました、脚を動かす方向によって働きかける筋肉が変わってくるというのはイメージできたかと思います。
その次に自分が理想とするお尻の形を整えていくために確認していきましょう。
脚を前後に動かすことによって大殿筋に働きがかかるので、ヒップアップを目的としたい場合は脚を前後に動かすランジやスクワットなどが効率的です。
逆に、脚を横に動かす動きはお尻全体を外側から小さくするアプローチがかかるので、ヒップアブダクションなどはお尻のシェイプアップに効果が期待できます。

お尻の筋肉を効率よく鍛えるコツ③:しっかりと休む

筋トレは沢山行った方が良いというイメージがあるかもしれませんが、そんな事はありません。特にお尻の筋肉は大きいため、しっかりと休息を入れて、オーバーワークにならないようにしましょう。目安としては、中72時間を目安として4日に1度位のペースで行います。
しかし、これはそれなりに部位を追い込んでのイメージなので、疲労度や運動強度によっては48時間と短縮しても大きな問題はありません。連日だけは避けましょう。

●まとめ

お尻のトレーニングはダンベルやバーベル等の重りを使わずとも、自体重のみでトレーニングを行いやすい部位です。ご自宅でもトレーニングを行い、慣れてきたら回数を増やしたり、ゆっくりトレーニングをしてみましょう。引き締まったヒップラインを手に入れましょう。

執筆者:講師B

指導歴18年のINSPA社員。
INSPAのヨガ養成部門「アカデミア」の講師として、身体の基礎知識や解剖学など一から研修し、未来の輝くヨガインストラクター・トレーナーの育成を手がける。
‣保有資格
JHCAフィジカルコンディショナー
ラディカルフィットネス:ファイドウ オフィシャルトレーナー
ラディカルフィットネス:ユーバウンド オフィシャルトレーナー
全日本剣道連盟 剣道四段 剣道指導者
‣指導実績
フィットネスクラブでの指導
累計スタジオレッスン本数3,500本

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