MENU

自宅でヨガ

陰ヨガとは -陰陽五行思想によって心身に働きかける陰ヨガの魅力と効果-

2023年10月25日

「陰ヨガ」は、人々の体と精神の深部に働きかけるヨガです。
陰陽のバランスを調整し、リラックス効果が高いため、筋力強化や美容目的など、運動量の多い「陽」のヨガを行っている方にもおすすめです。
陰ヨガがどのようなスタイルなのか、効果や代表的なポーズと併せてご紹介します。

●陰ヨガの特徴

陰ヨガの特徴は、ひとつのポーズを3分から5分、深い呼吸とともにゆっくりと保持することです。
深い呼吸とポージングは、体と心をリラックスさせる働きがあり、セラピー要素の強いヨガとされています。運動量が多く筋力アップの効果が見込める「陽ヨガ」(アシュタンガヨガパワーヨガ)と組み合わせて、筋肉や関節の柔軟性を高める効果も期待できる陰ヨガを取り入れている方も多いようです。

陰ヨガのルーツは、中国の思想である「陰陽五行思想」にあります。
陰陽五行思想は、自然と調和した生活が心身の健康をもたらすとする考え方です。忙しくアクティブな生活を続けていると、「陽」のエネルギーが強くなり過ぎ、バランスが悪い状態になりがちです。陰ヨガは、陽に傾いている心身のバランスを「陰」のエネルギーで整え、リラックス状態へ導くことができるとされます。

●陰ヨガの効果とメリット

陰ヨガがもたらす効果は、心身のバランスです。
陰陽五行思想に基づいて構成されている陰ヨガを行うことで、普段の生活で欠けてしまいがちな陰のエネルギーを高め、落ち着きを取り戻すことができます。

1990年代に流行した「陽ヨガ」は、美容や体力、筋力をつけることを目的としたポーズが多く、アクティブな要素を持ったヨガです。
そのため、心身のエネルギーを高め、運動量が増えて活動的になります。しかし、このような「陽」のエネルギーが高い状態が続くと、刺激に対して敏感になり、ストレスや疲労を感じやすくなってしまいます。
そこで、陰ヨガを取り入れることにより、疲れて凝り固まった精神をリラックスさせ、同時に体の組織も柔軟にしていくことができるのです。

心身を緩めることを目的としている陰ヨガは、ポーズを保持するあいだは瞑想状態になりやすいことも特徴です。頭を空っぽにして呼吸や体に集中することで、ストレスでざわついた心に落ち着きが生まれ、高いリラックス効果が期待できます。

深い呼吸で筋肉の力を抜いていくことで、靭帯や腱、筋肉の表面を覆う「筋膜」など、関節周りの柔軟性が高まり、関節の可動域を広げます。関節の動きが良くなると、ほかの運動でも体の動きがスムーズになります。また、関節の柔軟性が高まることで、血液やリンパの流れが良くなり、美容にも良い影響をもたらすことが期待できます。

●陰ヨガの代表的なポーズ

陰ヨガでベーシックなポーズのひとつとして、「バタフライ」があります。
足を広げた形が蝶に似ていることから名付けられたこのポーズは、股関節や太もも、背中の柔軟性を高め、体内の血液循環を刺激します。

バタフライのポーズのやり方

バタフライのポーズは、深い呼吸を行うことで血行が良くなり、自律神経のバランスを整える効果があります。瞑想状態を作ることができるため、睡眠前に取り入れることで自然な眠りを促進してくれることでしょう。また、心身がリラックスするため、翌朝は爽やかに目覚めることができるでしょう。

1.足の裏を合わせて、股関節の力を徐々に抜きながら膝を左右へゆっくりと開いていきます。手のひらは上に向けて、膝の上に置きます。

2.頭の重みでゆっくりと前屈します。前屈し切ったら顔や肩の力を抜き、そのまま3分から5分ホールドします。

●陰ヨガの歴史や誕生した背景

陰ヨガが注目され始めたのは、2000年代初頭です。
その少しまえ、1990年代に人気を集めたヨガは、精神性を深く追求するものではなく、どちらかといえば筋肉の強化や美容を目的としたエクササイズ要素の強いものでした。心身をアクティブな状態に導くもので、「陽」のエネルギーが高いヨガです。
しかし、2000年代になると、インターネットの普及や経済の変化が訪れ、日常でのストレスや情報過多により、心が落ち着かない状態にあると感じる人が増えてきました。そこで、心身のバランスが崩れたことに気付いたヨガフリークたちのあいだで、欠けている「陰」のエネルギーを取り入れることで心身のバランスをとることができる「陰ヨガ」が注目され始めました。

陰ヨガが、心身のバランスを整えられる理由は、「陰陽五行思想」にあるとされます。
陰陽五行思想では、世の中や人間の心身を司っているものは、陰陽両面があるとされています。このバランスを崩してしまうと、心身ともに調子が悪い状態となり、気が滞ってしまいます。
例えば、宇宙では太陽が「陽」で月が「陰」です。人間なら、男が「陽」で女が「陰」、色では白が「陽」で黒が「陰」、感情なら積極性が「陽」で感受性が「陰」を表します。

陰と陽のバランスを描いた「陰陽太極図」

また、四季の春夏秋冬も陰陽が繰り返されます。秋から冬は、植物の葉や種が落ち芽吹くための準備がされます。冬眠をする動物もいて静のエネルギーが中心となります。逆に、春から夏にかけては太陽が明るく照らし、動植物の活動が活発化する陽のエネルギーがあふれます。

このように、人間も宇宙も、あらゆる事象が陰陽のバランスによって存在し、どちらもが満たされた状態がバランスの良い存在とされます。バランスを保ち調和していることを「和」と呼び、その形は円となります。陰陽が両方とも満たされている状態です。
この考えは、東洋医学やインドの伝承医学の「アーユルヴェーダ」のほか、「マクロビオティック」などの食事療法にも取り入れられています。
陰ヨガを構成している陰陽五行思想は、自然と融合して健康へと導く思想なのです。

●陰ヨガが向いている人

陰ヨガは、深い呼吸を行い、柔軟性を高めるポーズで構成されています。
そのため、体の筋肉をほぐしリラックスすることができます。ゆっくりした呼吸で瞑想状態に入りやすく、日頃の生活でストレスを感じている人には特におすすめです。不眠で悩んでいる方は、就寝前にいくつかの陰ヨガのポーズを行ってみるといいでしょう。

中国の伝統医学を取り入れた陰ヨガには、「生理痛」「PMS(月経前症候群)」「浮腫み(むくみ)」「便秘」といった、女性の悩みにアプローチするポーズもそろっています。
ポーズを数分間にわたって行うことで、刺激が結合組織の深層に働きかけ、線維芽細胞が刺激されることでヒアルロン酸が増えるという説もあります。

また、穏やかなポーズで呼吸と動き(シークエンス)を行うため、陰ヨガは関節痛の方でも無理なく始めることができます。初めての方でも取り組みやすく、初心者や中高年に人気があります。柔軟性が高まり、運動や歩くことが楽になったという声もあります。

すでに陽ヨガなどアクティブなヨガを始めている方は、陰陽のバランス調整のために、就寝前などに定期的に取り入れてみるといいでしょう。陽のエネルギーで興奮した精神を穏やかにし、疲れが取れやすくなります。

●陰ヨガとよく似たヨガの種類

陰ヨガは静のエネルギーが強いヨガです。精神性を穏やかにし、瞑想効果もあります。
この陰ヨガと似ているヨガには、「リストラティブヨガ」「ヨガニードラ」「ヨガセラピー」があります。

リストラティブヨガは、「ブランケット」や「ボルスター」「ベルト」などの、体を支える補助用具を用いて行うヨガです。無理のない姿勢でポーズをとりながら、リラックス状態をゆっくりと深めることで緊張を緩和します。心身のエネルギーを回復に導くことができます。

ヨガニードラは、寝たまま行います。「究極のリラクゼーション」と呼ばれるほどのリラックス状態を体感できるヨガとして、話題になっています。寝たまま体の部位に意識を集中させ、呼吸を行うことで深い瞑想状態となります。不眠を改善させるヨガとしても人気です。

ヨガセラピーは、インストラクターの指導で行うことが多いヨガです。疾病や疾患、ストレスにも効果的なヨガの効能を最大限に引き出すことで、自律神経に働きかけ、免疫系や内分泌系、神経系、ホルモン系のバランスを整え、精神を落ち着かせます。首や肩、背中のコリ、冷え性、アンチエイジングにも効果的で、介護の現場にも導入され始めています。

●心のバランスを整えてくれる陰ヨガ

陰陽のバランスを整える陰陽五行思想に基づいた陰ヨガは、陰か陽、どちらかに偏るのではなく、それぞれを補い合うことで、ヨガの効果を最大化することができます。
ストレスが溜まり、落ち着かないときは陰ヨガ、内面にこもりがちで運動不足と感じるときは陽ヨガを意識するなど、バランスを意識して行うことが、心身の健康を保つ上で大切です。

その他のヨガの種類を見る